論集
著者=宗近 真一郎(むねちか しんいちろう)
装幀=亞令
その結び目は予め解(ほど)かれて在る――まえがきにかえて | 12 | |
Status Quo――詩は戦っている。誰もそれを知らない。 | ||
χと抒情詩の闘いでは、抒情詩を支援せよ――(ポスト)戦後詩における反復強迫の解除をめぐって | 20 | |
「去勢」不全における消音(ミュート)、あるいは、揺動(スウイング)の行方――「ほんとうのこと」を脱構築する思想的震源へ | 33 | |
「朗読」という「選択」(オルタナテイヴ)をめぐる冒険――反「朗読」論への揺動(スウイング)として | 48 | |
「鮎川信夫」という偶有性――第九回鮎川信夫賞、受賞スピーチ | 62 | |
聖なる「泥沼」の日本語(エコーズ) | 68 | |
共犯的「記録主体」もまた一人きりであるのか? | 76 | |
「井の中の蛙」の立ち姿――築山登美夫追悼 | 88 | |
隠されたものの回帰――「つぶやき」への「応答」の端緒へ | 98 | |
憲法9条がヒロヒト=天皇制を救った――加藤典洋追悼 | 109 | |
詩は戦っている。誰もそれを知らない。――藤原安紀子詩集『どうぶつの修復』への接近 | 120 | |
Fieldwork 1――詩のことばを渉猟する | ||
存在の耐えられない空洞(ホロウ)を堪える話法 | 130 | |
自然のありえなさのなかで自然をうたう | 146 | |
ピュシス(全体的な自然)と「暗号」 | 154 | |
「事後性」の蕊柱(コラム)、「構造」の析出 | 162 | |
「行分け」主体のエチカ | 170 | |
廃墟としての政治性 | 178 | |
抒情主体の審級、トポフィリア | 186 | |
詩的論理に隠されたもの | 194 | |
ランボー的卵劇、あるいは発喩する抒情機械 | 202 | |
「発喩」という煉獄 | 210 | |
まったき「現在」とコンポジション | 218 | |
詩人とその分身 | 226 | |
Interlude――クリティークの快楽/レヴューの束 | ||
銀河的、舞踏的、アンチ・ロゴス――吉増剛造展 | 236 | |
童女たちの叛乱――多和田葉子「複数の私 vol.2」 with 高瀬アキ | 239 | |
「生の拡充」のままならぬ行方――高見順『いやな感じ』 | 241 | |
非在の怪物は不伏蔵性(アレーテイア)の鏡である――四方田犬彦『神聖なる怪物』 | 246 | |
エロくて、ためになるファンタジー――野村喜和夫『まぜまぜ』 | 250 | |
ニンゲン固有の光景を動物が問う――松浦寿輝『人外』 | 254 | |
「日本」・「文」・「法」・「体系」をめぐって――藤井貞和『日本文法体系』 | 258 | |
昊あるいは海底のピクチャレスク――倉本修画文集『芸術のルール』 | 263 | |
「同行二人」への挽歌(レクイエム)――築山登美夫『無言歌』 | 268 | |
Fieldwork 2――詩を外部への逃走線において描く | ||
遍在する「女」が追跡される | 274 | |
「器官なき身体」の遊動(グラマトロジー) | 286 | |
デリバリー、する、される | 295 | |
手続き(ジャーナリズム)=終りなき鎖列の運動 | 303 | |
批評的集光点 | 315 | |
思想的アセットの流動化へ | 324 | |
告白・省察・可誤性 | 334 | |
抵抗性としての「気分」の滞留 | 343 | |