ガラス容器

　詩集　

　著者=大平　常元（おおだいら　つねもと）　
　　栞=長谷川　龍生
　　装画=青野　文昭　装幀=亞令

迷わずに
つゆ草を踏みわけて　来てくれ給え

ぼくは　終日　はためく　旗の下で　旗ざおをゆすっています
旗ざおをゆすりながら　道に迷ったギリシャの青年と
時間について　話し合っているのが　見える筈です

椅子を一つ　空けておきます

言の葉の舞。とつ追いつのフーガ。で、やや鈍色のヴェクトル。遠心、求心、して収斂。J・ケージ、く、くしゃみ。E・サティ、しゃ、しゃっくり。言の葉紡いで絵と物語りの揺曳、はてたたなわる神話。心モノにどうかして。ああ親和力よ。言の葉迷宮を縫い、詩人対象に静脈浮き彫り、カタルシス遂げ、極上のウィット、エスプリが見者を陶酔にいざなう。その芳醇なコク。言葉よ、といい口噤む紫水晶の朝の奥つ城。――みやこうせい

　9年10月2008日初版第一刷　発行　　菊変函入（220×148）　218ページ　
　定価3300円　(本体3000円)　ISBN978-4-87995-746-7 C1092 \3000E

`案内`		8
`ジューサーの下部`		12
`音楽人間――または夕ぐれの風景――`		16
`工場街`		22
`トリの理論`		28
`自動車修理工場`		34
`オウトレースの帰り`		38
`あつい日`		44
`ホロホロ鳥`		48
`ゆれている`		52
`風の吹く日`		56
`レーズンバターの憂鬱`		62
`バレイボールの試合`		68
`ガラス容器`		74
`脱穀機のある場`		80
`トリ　1`		86
`ムシ`		90
`「秋の概念」について`		94
`ひとりの秋`		98
`習慣`		102
`鎮魂`		106
`椅子との対話`		110
`店にて`		118
`駅にて`		124
`ゲイトにて`		130
`電話――または都市の小景――`		136
`狩に`		140
`「悲しみの概念」について`		144
`ぼくはターンが下手`		148
`心象三景――あさ　ひる　ゆうべ――`		156
`こぶろらりあ`		162
`あるく人`		168
`黄色いボール――川辺の風景から――`		174
`サッカー場の霊性について――時間論　1――`		178
`音を聴く`		182
`PATA PATA`		186
`名前を忘れる――物語について――`		190
`カップと受け皿`		196
`ぼくの歴史について`		200
`まめ　が　はじける`		204

`あとがき`		208

`大平常元さんへの「詩由詩在」論――跋にかえて――`	`長谷川　龍生`	栞

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