詩集
著者=藤本 敦子(ふじもと あつこ)
栞=伊藤 桂一
装幀=亞令
風。あなたに触り、
そのあとわたしに触れていった。
天空に突き入る鳥に、
そして地面にたよりなく踏ん張る木に。
それから…生傷のような雲を吹きやり、
光のなかのこどもとまろび遊び、
ひとり歩むわたしのかたわらを行くだろう。
I | |||
停留所 | 10 | ||
草の上 | 14 | ||
空を開けて鳥は… | 18 | ||
木のこと | 24 | ||
旅行かばん | 28 | ||
ワンピース | 32 | ||
夏の日 | 36 | ||
波の音 | 40 | ||
II | |||
フック | 46 | ||
屋根の下 | 50 | ||
メトロノーム | 54 | ||
幣舞橋 | 58 | ||
茶碗 | 62 | ||
ギャザー | 66 | ||
そこにいる | 70 | ||
欅並木を行く | 74 | ||
III | |||
ブラウスに風をためて | 80 | ||
水のDoor | 84 | ||
マレーバクに関する覚書 | 86 | ||
アカテガニの産卵 | 90 | ||
富士山須走口五合目付近 | 94 | ||
空が集まって | 98 | ||
ありがとう | 102 | ||
そこの | 106 | ||
声 | 110 | ||
早朝の町 | 114 | ||
亡きひとへの謙虚な詩的献身――藤本敦子詩集『風のなかをひとり』 | 伊藤 桂一 | 栞 | |