雑誌
装幀造本=菊地 信義
読者の皆さまへ
「るしおる」64号をお届けいたします。
〈るしおる〉lucioleは、小さな蛍です。微かな光ではあれ、暗い地平を迷い行く光を発します。行く手を探りつつ、詩と文学と思考の根幹にじかにそっと手を触れたい、その枝先葉先からしたたる雫を掌に受けたい、と希っています。
これからもそうありたい、と希っています。
〈るしおる〉は今号を以ってしばらく翅をたたみ、新たな飛行に備える模索の季節に入ります。
長い間のご購読とご支持に深く感謝いたします。
これからの試みに対しても変らぬご支援をお願い申し上げます。
二〇〇七年五月 書肆山田「るしおる」編集部
さらば まことさん度外れに遅ればせの悼詩 | 入沢 康夫 | 2 | |
鳥 | サン=ジョン・ペルス/有田忠郎訳 | 4 | |
コメット牧場に躍るモメント | 藤原 安紀子 | 18 | |
底に置かれた手のひら――経過 | 岬 多可子 | 22 | |
何処何様如何草紙 3 | ぱく きょんみ | 24 | |
富士山 | 平田 俊子 | 28 | |
ベオグラード日誌 18 軽くて小さいが麗しいもの | 山崎 佳代子 | 30 | |
食うべき芸術 モダニズム――瀬尾育生『戦争詩論』をめぐって | 矢野 静明 | 40 | |
幸福への意志 渋沢孝輔詩論序説 2 | 松本 邦吉 | 48 | |
そして 4 | J・ブロツキイ/山本楡美子訳 | 56 | |
ちのはは | 古賀 忠昭 | 72 | |
岬 | 相澤 啓三 | 88 | |
胡桃ほかの短い詩 | 財部 鳥子 | 90 | |
萸という字をさがしていた 他 | 鈴村 和成 | 93 | |
夢七夜 | 八木 忠栄 | 96 | |
夜の味 | 川口 晴美 | 106 | |
蟹股兄弟――茂本和宏・ヒデキチ兄弟に | 中上 哲夫 | 108 | |
詩の風景・詩人の肖像14――多田智満子 | 白石 かずこ | 110 | |
白秋 第十通――抒情小曲の問題 | 高貝 弘也 | 118 | |
春惜しむ | 高橋 睦郎 | 124 | |
Adagio ma non troppo | 関口 涼子 | 126 | |
草のひと飛び、あるいは親和力について | 河野 道代 | 144 | |
詩の時間 7――夜の本 | 倉田 比羽子 | 148 | |
流動する結晶 他 | 高柳 誠 | 150 | |
エクス・リブリス 6 | 岩成 達也 | 154 | |
詩的考察 4 時の文法(下) | 藤井 貞和 | 162 | |