訳詩集
著者=ニコライ・コーノノフ(こーののふ にこらい)/訳者=たなか あきみつ(たなか あきみつ)
解説=ヴァチェスラフ・クーリツィン
装幀=亞令
アコーディオン伴奏の涙 | |||
(霧の中から現れる月……) | 16 | ||
(稲の箒の慰めは……) | 18 | ||
生郷を想う四つの歌 | 20 | ||
(酒を飲み、煙草をふかし……) | 28 | ||
(通りへわたしはひとりで出る……) | 30 | ||
(こんなにかわいい手鏡に映る心の中の雌牛・雌羊・雌山羊にあっては……) | 32 | ||
(ガラス化する炎天……) | 34 | ||
(無分別・全天然ぼけ・心根の姑息さ……) | 36 | ||
(アンテナなしに小脳の受信機は……) | 38 | ||
(この闇はわれわれに差しだす……) | 40 | ||
(気弱い手紙でわたしはぽろりと漏らした……) | 42 | ||
(わたしは、恐れおののく小獣として……) | 44 | ||
暑い季節 | |||
(毛皮帽、こんな暑い季節に……) | 48 | ||
(三平方センチメートルのところでは……) | 50 | ||
鉛筆に関する四〇行 | 52 | ||
(ウドムルトの乙女たちにとって……) | 56 | ||
(だってチターニヤは驢馬に……) | 58 | ||
(小鳥よ、生きよ、選りすぐりの詈言で餌づけされた……) | 60 | ||
(わたしは言う:おまえの懐は……) | 62 | ||
(おまえのてかてかのイルカ皮に……) | 64 | ||
(この世では何でも食べられる……) | 68 | ||
(たとえばこんな舐められ入江の擦過傷……) | 70 | ||
(従来通り飛ぶようなおまえのおしゃべり……) | 72 | ||
(これらのいらいら女(ち)らは……) | 74 | ||
(プルーストにより消耗の元凶たる鞭毛類に……) | 76 | ||
(アムールは足をぴくぴく動かし始める……) | 78 | ||
(でも痛みがわたしは怖い、怖い、怖い……) | 80 | ||
(唇の片隅での細菌のべとつく養蜂場との……) | 82 | ||
針葉の軍勢 | |||
(そしてわたしはおまえにうんざりした、エオルよ……) | 86 | ||
(これはわたしに巣くう悪意・憤怒・憎悪……) | 90 | ||
(仔猫は朝からかくも胸をつんざくように……) | 92 | ||
(頑健な心臓に泥濘期をもつ蝿すらも……) | 94 | ||
(ずしっと落ちた……) | 96 | ||
(亀の銀色の冷気は……) | 98 | ||
(すべては許されるから……) | 100 | ||
(湿原で眠っているアセチレンよ……) | 102 | ||
(これはサイレーンの耐えがたい歌声……) | 104 | ||
(これら渋面、舫杭(プリコールイ)、薪割り(コールキ)……) | 106 | ||
(みどりの羽の小鳥よ……) | 108 | ||
(ささくれのないすべすべの大砲……) | 110 | ||
(わたしはすべてをおまえから受け取り……) | 112 | ||
(森林の針葉の軍勢がおまえとポーランド語で……) | 114 | ||
(おお、完全におのれ自身の掘削よ……) | 118 | ||
合言葉 | |||
(ある小規模施設で――サーカス小屋とか小劇場とか……) | 122 | ||
(霧立ちのぼる神現祭頃の氷湖で……) | 126 | ||
(わたしはぶきみにもやたら……) | 128 | ||
(ロールス・ロイスの薔薇が汗だくになるように……) | 130 | ||
(おまえは小魚もどきに……) | 132 | ||
(小規模の精神病院では……) | 136 | ||
(そして息苦しい嘔吐……) | 138 | ||
(ほら見てみろよ……) | 142 | ||
(宵の明星が昇った……) | 144 | ||
(さりげなくキスして……) | 148 | ||
(おまえは真紅の雲を覚えている……) | 150 | ||
(荷橇に乗るトルコ人の訴え……) | 152 | ||
(愚かにも氷上へ跳びはねた若者たち……) | 154 | ||
チャパ追悼 | 156 | ||
(ほら、パパ、畑だよ……) | 160 | ||
恐怖に関する美学――ニコライ・コーノノフの書法・定式・コンプレックス | ヴァチェスラフ・クーリツィン | 163 | |