小説
著者=ピエール・ガスカール(がすかーる ぴえーる)/訳者=有田 忠郎(ありた ただお)
装幀=小野 絵里
I | ・/人間は闇がさらに拡がることを願う-洞窟の中-地上とやや似た未来の収 穫物の成長-尽きることのない動きには意味がある-盲目の小えび-水は動物 -千万年の創造-地下のポケットの諸形態の時間-原初の言葉が何かを伝える | 7 | |
II | ・/村と修道院-噛み、傷つけ、削りとるもの-月の乳-石が生まれる-蒼白 の母-形態信号-発光する塊り*-盲目の昆虫-夢の彼方のもう一つの夢-私 の言葉、私の知らない過去-暗室-名づけられぬもの-闇の中に埋もれた火 | 27 | |
III | ・/予感としての闇-苔-苔の根-征服すべきざらつき+破壊される修道院 -永遠性の波、この薔薇模様彫り-朝は君を待たない-家具にとじこめられ た昨日-闇の沈黙-光、地表の冷え-石への命名-絶えることなき疲労困憊 | 51 | |
IV | ・/非合理なものの造型-不定形なものの夢-形態が不眠の夜を過ごしている -非存在からの脱出-不断の努力を払って夜を持ちあげる-燐光、虚無の色- 孤独-過剰な光線が濃くなる時-人間の作ったものが全て破壊される時-入口 | 83 | |
V | ・/苔と闇の共謀-光が大地を覆う-ノアの箱船-光はいつひくのだろうか -原初の夜-幾度でも瞼を閉じる-源泉の虚無-カタストロフの彼方、ダン テ、ピラネージ-水音、混乱-田園生活-究極の避難所-洞窟の中の都会生活 | 107 | |
VI | ・/シンメトリーの精神-範型#としての自然-昼夜、寒暑、不毛 と肥沃、苦悩と喜び-夜が昼の中にある-逃亡する人がたずさえ ている物-有毒な贈り物-葡萄酒を揺する-明日は潰走する大軍 | 135 | |
VII | ・/象の墓場-行きづまりの絶壁-確かに地上に生きる-夢 の語彙-生きた人々の記憶-目覚めた闇-変化-洞窟の声- リリスム-洞窟は光り輝く-人の死-変容-闇の中の目覚め | 151 | |
VIII | ・/収穫の季節-豊穣-村の人々は洞窟 へ行かなくなる-レフォルミスム-改修 と測量-石の形-汎神論-洞窟の賃貸料 | 173 | |
補遺I | ・/紀元千年よりずっとずっと前から私の祖母はもう笑わなか った-歴史のためにポーズする-一羽の黒い鳥-眼を覚ました子 -ベッドの中の暮らし、言葉を捨てる-日がな一日話しつづける | 189 | |
補遺II | ・/祖母は靴を警戒する-足は動かない、手も顔の筋も-地平線や森や 動物たちや人間たち-言葉かず-棒で鵞鳥を追いながら世界の存在を確か める-老婆は歳月の奥底からやって来た-ざらざらした硬い土となって… | 215 | |
訳者あとがき | 245 | ||
*ヴォリュームというふりがな |